鉱山ブログ
この度、産業遺産学会より、弊社・土橋鉱山の施設が「推薦産業遺産」に認定されました。産業遺産学会というのは、主に明治以降の近代化に貢献した産業に関わる有形・無形の様々なものを調査研究する学会で、学者や研究者はもちろん、私のような一般人も参加できる開かれた学会です。
私の場合、土橋鉱山を引き継ぐ前から鉱山に興味があり、日本中の廃鉱山や現役鉱山を見て回るのが趣味だったので、学会誌を見たり、学会に属する研究者の方の本を読んだりして参考にしておりました。そんな中、土橋鉱山自体を学会の推薦産業遺産にしてみては、とのお声掛けをいただき、この度、認定していただいた次第です。
「推薦産業遺産」というのは、国や自治体などの文化財にはなっていないものの、産業遺産として重要であり、多くの人々にその重要性を知ってもらいたい、といった案件について、産業遺産学会が独自に選定するものです。認定されたからといって、特に規定や拘束力はありませんが、放っておいたら消えていってしまうような産業遺産を少しでも知ってもらいたいという考えから行われています。
弊社の鉱山施設の中では、立坑や巻上機、鉱車などが推薦産業遺産に認定されました。備前市には蝋石鉱山がたくさんありましたが、ほとんどの鉱山が閉山しており、現役でこれらの鉱山施設を有するのは弊社のみとなっています。というか、巻上機に関していえば、現役鉱山で稼働する状態で保存しているのは、おそらく弊社だけではないでしょうか。実際、動く状態で残すのは大変です。
鉱山のシンボルである立坑櫓。ボロですが立派に現役です。
コロナがだいぶ落ち着いてきましたし、コロナ前にやっていた弊社の見学ツアーも復活できるかもしれません。その際は、ぜひとも「推定産業遺産」に認定された鉱山施設をご紹介いたします。もう少しの辛抱ですねぇ。